「ご容赦ください 」のビジネスシーンでの使い方|ご了承くださいとの違いや言い換えもご紹介

「ご容赦ください 」のビジネスシーンでの使い方|ご了承くださいとの違いや言い換えもご紹介 ビジネスマナー
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ビジネスシーンにおいて例えば、何かを依頼したり、謝罪をしたりする際に上司や立場が上の方に対して適切な言葉を選ぶのは難しいですよね?

本記事では、「ご容赦ください」と「ご了承ください」という表現に焦点を当て、それぞれの意味や適切な使い方を詳しく解説します。

これらの表現は似ているようですが、使用する状況や意味合いが異なります。

正確な使い方をマスターし、相手に不快感を与えないよう心掛けましょう。

「ご容赦ください」の意味

まずは「ご容赦ください」の意味です。

「ご容赦ください」:相手に小さな過ちや軽い失敗に対して寛容を求める際に使用する

主に、小さな誤りや見落としをしてしまった時、相手に寛大な対応をお願いする場面で使われます。

「ご了承ください」の意味

次に「ご了承ください」の意味は以下の通りです。

「ご了承ください」:相手に理解と納得を求めたい場合に使用

このフレーズは、状況を説明し、相手が不快に思わないよう配慮しながら使用するべきです。

たとえば、「Aの状況がBという理由により発生しています」といった説明に適しています。

「予め」という言葉を加えることで、「事前にご案内しておきますが」という前置きが加わりますが、この場合は詳細な説明が必要です。

また、この表現は謝罪を含まないため、相手が不満を感じている時には向いていないことを理解しておく必要があります。

【例文】

  • 業務の都合上、一時的に電話対応ができなくなります。何卒ご了承ください
  • 年末年始の休暇は1月1日から1月4日までとなります。あらかじめご了承をお願いいたします。

「ご容赦ください」と「ご了承ください」の適切な使い分け

「ご容赦ください」と「ご了承ください」の表現は、似ているようで使い方が異なります。

「ご容赦ください」:相手に対して、失敗や小さな過ちについて寛容を求める場合に使用します。
「ご了承ください」:理由を説明して相手に納得してもらうために使う言葉です。

両表現は、自身の状況を認めつつ、相手に異なるリアクションを求める点で共通していますが、ニュアンスに違いがあります。

「ご容赦ください」は許しを求める場合、「ご了承ください」は事情を説明し理解を求める場合に適しています。

例文

相手の名前を誤ってしまい、心を痛めさせてしまった場合:
⇒「大変失礼いたしました。何卒ご容赦ください。
今日が社内のノー残業デーであり、お問い合わせの対応が翌日にずれ込むことを伝える場合:
⇒「本日はノー残業デーにつき、お問い合わせのご対応は明日になります。予めご了承ください。

上司に対して「ご容赦ください」を用いる際の留意点

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「ご容赦ください」という言葉は、上司を含む目上の人々に対して使用する際には特別な注意が必要です。

この表現を使うときは、単に謝罪するだけでなく、相手に自分の過ちを許してもらう意向を伝えるため、不快感を与えないようにしっかりと配慮することが求められます。

例として、重要な会議の資料を作成するのを忘れてしまった場合、次のように伝えることが望ましいです。

業務の多忙さにかまけて重要な資料作成を見落としてしまいました。早急に対応させていただきますので、このたびはご迷惑をおかけしますが、何卒ご容赦ください

このように、「ご容赦ください」は、ただの形式的な言葉ではなく、誠意と注意深い配慮を持って使用するべきフレーズです。

ビジネスメールにおける「ご容赦ください」の活用例

メール例文①

件名:お支払いの遅れについてのお願い
株式会社〇〇〇〇
財務部 〇〇 〇〇 様

日頃は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
株式会社△△の財務部より△△と申します。

先に〇月〇日にお送りした請求書に記載の代金〇〇,〇〇〇円につきまして、お約束の支払期限〇月〇日を過ぎてもまだ入金が確認できておりません。お手数をおかけしますが、ご確認の上、速やかなご対応をお願い申し上げます。

万が一、既にお支払いいただいている場合には、このメールを無視していただくようお願い申し上げます。何卒ご容赦ください。

「ご容赦ください」を適切に使用することで、ビジネスメールにおいても相手に対する礼儀を示し、スムーズな対応を促す効果があります。

メール例文②

件名:納期変更のお願いについて
株式会社〇〇〇〇
製造管理部 〇〇 〇〇様

平素は格別のご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
株式会社△△の△△でございます。ご発注いただいております製品「△△」の納期調整について、重要なお知らせがございます。

当初お約束しておりました〇月〇日の納期を、残念ながら〇月〇日に変更させていただきたい事情が生じております。この変更の理由は、最近の天候不順による部品供給の遅れが主なものです。部品が届き次第、ただちに生産を開始する予定ですが、計画通りの納期をお守りすることが難しい状況となっております。

このような状況を招いてしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。どうかご容赦いただけますようお願い申し上げます。

ご質問やご不明点がございましたら、いつでもご連絡くださいませ。

「ご容赦ください」の言い換え

「ご容赦ください」というフレーズは、フォーマルな場や重要なビジネスシーンで頻繁に用いられますが、場面や対象に応じて異なる表現に置き換えることができます。

日常的な会話で使うのが難しい場合には、より使いやすい類似の表現を選ぶことが望ましいです。

以下に、「ご容赦ください」の言い換え表現をいくつか紹介します。

  • お許しください:「遅刻してしまい、大変なご迷惑をおかけしました。どうかお許しください。」
  • ご勘弁をお願いします:「報告書の締切を守れず申し訳ありません。来週までには完成させますので、ご勘弁をお願いします。」
  • ご海容を:「誤った情報をお伝えしてしまいました。心からお詫び申し上げますとともに、ご海容をお願いします。」
  • ご寛恕を求めます:「プロジェクトの遅延により多大なご迷惑をおかけしておりますが、ご寛恕を求めます。」
  • お含みおきください:「不手際による商品の配達遅延が発生しております。お含みおきください。」
  • お見逃しください:「先日の会議での発言について、お見逃しください。」

※「海容」は相手の過ちや失礼を広い心で許すことを意味し、主に書面で使用される表現です。
※「寛恕」は広い心で理解し許すことを意味し、公式な文書でよく使用されます。

まとめ

ビジネスシーンでの「ご容赦ください 」の使い方と「ご了承ください」との違いや言い換え表現をご紹介しました。

「ご容赦ください」や「ご了承ください」といった言葉は、ビジネスコミュニケーションにおいて定型文のような役割を果たしています。

これらの表現を使う際には、単に形式的に伝えるのではなく、誠実さをもって状況の説明を行い、過ちを認め、具体的な解決策を提示することが重要です。

「ご容赦ください」は主に、相手に対して過ちや失敗を許してもらうことを求める際に用いられます。

対して、「ご了承ください」は、相手に情報を提供し、その状況や条件を受け入れてもらうことを求める場合に使われる表現です。

相手に適切な敬意を表し、意味の違いを正しく理解するためにも、正確な言葉選びを心がけましょう。

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