「ちなみに」という言葉は、テレビ、日常会話、そしてビジネスの場など、私たちの身の回りでよく使われています。
この表現を日頃から使っている人は多いでしょう。
しかし、この「ちなみに」という言葉の本当の意味を深く理解している人はそれほど多くないかもしれません。
ビジネスの場で「ちなみに」を使うのは適切でしょうか?
本記事では、「ちなみに」の意味や、ビジネスシーンで使用しても失礼にならないかなど、例文を用いて詳しく説明します。
「ちなみに」の意味
「ちなみに」という言葉は、何かを話した後でさらに情報や補足を加えたいときに用います。
通常はひらがなで「ちなみに」と書かれますが、漢字では「因みに」と表されます。
何か主要な話題に少し情報を加えたいときや、ちょっとした冗談や補足をする際に使うと便利です。
「ちなみに……」という前置きを使うことで、追加情報をスムーズかつ簡潔に伝えることができます。
「ちなみに」の使い方は?
「ちなみに」というフレーズは、先に述べた内容に関連する追加情報を提供する際に使われます。
このため、話の流れに沿わない内容を導入する際には「ちなみに」という表現は不向きで、「ところで」というような新たな話題に移る際の言葉を用いるべきです。
「ちなみに」を使う際には、その他に「ちなみに言えば」や「ちなみに申しますと」といった副詞的な使い方もあります。
大切なのは、元の話題に対して何かを加える形で使用することで、話の一貫性を保つことです。
例文
- あなたは最近、読書を始めたそうですね。ちなみに、私は昨年から毎月三冊は読むようにしています。
- 今月の新刊はとても興味深いものが多いです。ちなみに、特に推薦したいのは国内作家の最新作です。
- そのネクタイ、色合いが素敵ですね。ちなみに、この季節には明るい色が人気を集めています。
ビジネスでの「ちなみに」の使い方とマナー
「ちなみに」という表現は、日常会話で小さな補足や情報を追加する際によく使われます。
この表現は日々の対話で役立ち、自然と情報を織り交ぜることができます。
ただし、ビジネスのフォーマルなシチュエーションでの使用はどうでしょうか?
ビジネスシーンにおいても「ちなみに」を使用することは可能ですが、いくつかの注意点があります。
ビジネスで「ちなみに」を使用する際の主な注意点は次の通りです。
- 使用は控えめにしましょう。
- 話題の切り替えには用いないでください。
- よりフォーマルな表現が必要な場合は、他の言葉への置き換えを検討しましょう。
「ちなみに」と繰り返すことで話がわかりにくくなる場合があります。
また、全く新しい話題へと飛ぶ際に「ちなみに」と使用するのは適切ではありません。
「ちなみに」はカジュアルな表現のため、フォーマルな環境では軽すぎると感じられることがあります。
上司や年上の方に対しては、もっと硬い表現を選ぶ方が好ましいです。
例文
- このソフトウェアのライセンスは現在満了しておりますが、更新手続きには約一週間必要です。ちなみに、代替としてフリー版もご利用いただけます。
- 先週のミーティングで議論されたプロジェクトの進行状況は、全員に配布された資料に詳述されています。ちなみに、関連する先行研究のリストは資料の末尾に付記してあります。
- こちらは弊社が開発中の新しいアプリのデモ版です。ちなみに、正式リリースは今年の冬季を予定しています。
「ちなみに」の言い換えと使い方
「ちなみに」と同じように使用できる表現は、以下の通りです。
- 「また」(追加で伝えたいことがある場合に用いる)
- 「なお」(一つの話題が終わった後、さらに情報を付け加えたいときに使う)
- 「ついでに」(前の話題に続けて、追加情報を提供したいときに使用します)
- 「さらに言うと」(情報を追加して詳しく説明したいときに使います)
- 「補足として」(情報が不足していると感じたときに追加する)
- 「余談ですが」(本題から少し離れた情報を軽く加えたいときに使います)
- 「念のために」(確実性を増すため、または注意を促す情報を加えるときに用います)
まとめ
「ちなみに」は、話に補足情報を付け足す際に非常に便利な言葉ですが、使い過ぎには注意が必要です。
このため、ビジネスや日常会話で使う際には、相手が情報を受け止めやすいように、適切なタイミングと量を考慮することが大切です。
また、この表現が口癖になってしまわないように意識し、場面に応じて言い換え表現を選ぶと良いでしょう。
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