新築は高すぎ、空き家は900万件…金利上昇時代に「家」をどう考えるか【お金の教養・第2弾】

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住宅ローンの金利が上がっている。新築は高くて手が出ない。でも空き家は全国に900万件もある。「家を買う」「家を持つ」ということの意味が、今まさに大きく変わろうとしています。

前回はスタグフレーションについてお伝えしました。今回はその延長線上にある「金利上昇と不動産の変化」についてです。家を買う予定がなくても、住んでいる地域の不動産事情は家計に間接的に影響します。数字を知るだけで、見えてくるものがあります。

👉 【前回記事】給料は増えないのに物価だけ上がる…その正体は「スタグフレーション」

この記事は経済・不動産の仕組みをわかりやすく解説することを目的としています。特定の物件購入・投資の推奨ではありません。不動産の取得・売却については専門家にご相談ください。

この記事の内容

  1. 新築45万件 vs 空き家900万件という現実
  2. なぜ新築はこんなに高くなったのか
  3. 金利上昇が住宅ローンに与える影響
  4. 土地が売れない・不動産市場の変化
  5. では今、家とどう向き合えばいいのか
  6. まとめ

新築45万件 vs 空き家900万件という現実

先日、お金の知識に関する勉強会でこんな数字を聞きました。毎年新築住宅が約45万件建てられている一方で、全国の空き家はすでに900万件を超えているというのです。単純計算すると、20年分の新築が今すでに空き家として存在していることになります。これを聞いたとき、正直「それでもまだ新しい家を建て続けているの?」と感じました。

項目 数字 意味
年間新築住宅着工数 約45万件 毎年これだけの新しい家が建てられている
全国の空き家数 約900万件 住宅全体の約13〜14%が空き家の状態

この数字が示していることは何でしょうか。日本全体では家が余っているのに、新しい家は建ち続けている。その結果、空き家は増え続け、古い家の価値は下がり、地方では土地を売りたくても売れないという状況が生まれています。

なぜ新築はこんなに高くなったのか

「家を買いたいけど高すぎて手が出ない」という声をよく聞くようになりました。実際に新築住宅の価格はここ数年で大きく上昇しています。その主な原因が建設コストの高騰です。

原因 内容
資材価格の上昇 木材・鉄鋼・コンクリートなどが世界的に高騰
人件費の上昇 建設業界の人手不足により職人の賃金が上昇
物流コストの上昇 2024年問題によるトラック輸送コストの増加
円安の影響 輸入資材の価格が円安でさらに上昇
省エネ基準の強化 断熱・設備基準の引き上げによるコスト増

これらの要因が重なり、新築住宅の価格は上昇し続けています。「頑張れば手が届く」と思っていた新築が、気づけば現実的ではない価格になっていたという方も少なくありません。

金利上昇が住宅ローンに与える影響

追い打ちをかけるように、住宅ローンの金利も上昇しています。特に変動金利を選んでいる方には直接影響が出始めています。

借入額 返済期間 金利0.5%の月返済額 金利1.5%の月返済額 差額
3,000万円 35年 約77,000円 約91,000円 約14,000円増
4,000万円 35年 約103,000円 約121,000円 約18,000円増
5,000万円 35年 約129,000円 約152,000円 約23,000円増

金利が1%上がるだけで、月々の返済額が数万円単位で増えます。これがスタグフレーションの状況と重なると、給料は増えないのに住宅ローンの返済額だけが増えるという、非常に厳しい家計状況になります。

すでに変動金利でローンを組んでいる方は、固定金利への借り換えを検討するタイミングかもしれません。ただしこれは個人の状況によって判断が大きく変わりますので、ファイナンシャルプランナーや金融機関への相談をおすすめします。

土地が売れない・不動産市場の変化

空き家が900万件ある一方で、土地を売りたくても売れないという状況も起きています。特に地方では深刻です。

土地が売れない理由

少子化により人口が減り続けているため、地方では住宅需要そのものが縮小しています。需要がなければ土地の価値は下がり、売りたくても買い手がつかない状況になります。さらに建設コストが高騰しているため、土地を買っても家を建てるコストが見合わないと判断される場合もあります。

都市部と地方の二極化

一方で東京・大阪・名古屋などの大都市圏では、依然として不動産価格が高止まりしています。人口が集中する都市部では需要があるため価格が維持され、地方では価値が下がるという二極化が進んでいます。この構造は今後も続く可能性が高く、「どこに住むか」という選択が、資産形成にも大きく影響する時代になっています。

では今、家とどう向き合えばいいのか

「買うべきか、借りるべきか」という判断は個人の状況によって異なります。ここでは特定の答えではなく、知っておくべき「考え方」をお伝えします。

考え方1 新築にこだわらない選択肢を知る

空き家900万件という現実は、見方を変えれば「リーズナブルな住宅の選択肢が増えている」ということでもあります。中古住宅のリノベーションや、空き家バンクの活用など、新築以外の選択肢が広がっています。新築一択で考えるのではなく、視野を広げることが大切です。

考え方2 変動金利のリスクを改めて確認する

すでに住宅ローンを組んでいる方は、変動金利か固定金利かを確認しましょう。変動金利は金利上昇の影響を直接受けます。月々の返済額がどう変わるかシミュレーションしておくだけで、家計の備えができます。

考え方3 「家は資産」という前提を疑ってみる

かつては「家を買えば資産になる」という考え方が一般的でしたが、人口減少・空き家増加が続く地方では必ずしもそうとは言えない時代になっています。どこに・どんな家を持つかによって、将来の資産価値は大きく変わります。

お金の勉強会で聞いた「新築45万件・空き家900万件」という数字は、最初は驚きでしたが、知ってしまうと「なんとなく高い家を買わされそうになっていた」という感覚が言語化できました。数字を知ることで、冷静な判断ができるようになると思います。

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まとめ

新築45万件・空き家900万件・建設コスト高騰・金利上昇・土地が売れない——これらはバラバラな話に見えて、実はすべてつながっています。少子化・物価上昇・スタグフレーションという大きな流れの中で起きている変化です。

「家をどうするか」は人生最大の買い物のひとつですが、感情や雰囲気だけで決めるには大きすぎる判断です。まず数字と仕組みを知ること、そして自分の状況に合った専門家に相談することが、賢い選択への第一歩だと思います。

今回は戸建て・土地を中心にお伝えしましたが、次回は「じゃあマンションは?」というテーマで書きたいと思います。金利上昇・建設コスト高騰がマンション市場にどう影響しているのか、引き続きお届けします。

「働く大人のお金の教養」シリーズ、次回もお楽しみに。

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