ミスをしてしまったとき、相手に注意しなければならないとき、お断りをしなければならないとき こういった場面での言葉選びは、誰でも少し緊張するものです。
「うまく伝えられなかった」「余計に相手を怒らせてしまった」という経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。
実は、謝り方・断り方が上手な人ほど「この人は誠実だな」「話しやすいな」という好印象を残しています。言いにくいことほど、言葉の選び方ひとつで相手の受け取り方が大きく変わります。今回は特に使いやすい3つをご紹介します。
前回はビジネスチャットの言葉遣いについてご紹介しました。あわせてご覧ください。
👉 その一言、チャットだと軽く見えるかも?ビジネスチャットで気をつけたい言葉遣い3選
この記事の内容
- 言い訳に聞こえないお詫びの書き出し
- 指摘・注意を柔らかく伝える一言(クッション+提案型)
- 角を立てないお断りの理由の見せ方
- 言いにくいことほど言葉選びが大切な理由
例① 言い訳に聞こえないお詫びの書き出し
謝罪のメールや会話で一番やってしまいがちなのが、お詫びの前に理由や経緯を説明してしまうことです。「〇〇だったため、ご迷惑をおかけしてしまいました」——この順番だと、相手には「言い訳から入った」と受け取られてしまうことがあります。
なぜ言い訳に聞こえてしまうのか
人は謝られるとき、まず「ごめんなさい」という気持ちを受け取りたいと感じています。理由が先に来ると「この人は自分を守ろうとしている」という印象を与えてしまいます。お詫びは「まず謝る、理由は後」が基本です。
❌ 言い訳に聞こえる書き出し:「社内確認に時間がかかってしまったため、ご返信が遅くなってしまいました。申し訳ございません」
✅ 誠意が伝わる書き出し:「ご返信が遅くなり、大変申し訳ございません。社内確認に時間を要しておりました」
✅ さらに丁寧にしたいとき:「この度はご不便・ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。まずは心よりお詫び申し上げます」
順番を変えるだけで、同じ内容でも相手の受け取り方がまったく変わります。「まず謝る」を習慣にするだけで、お詫びの場面でのあなたへの評価が上がります。
例② 指摘・注意を柔らかく伝える一言(クッション+提案型)
相手のミスや問題点を指摘しなければならないとき、直接的に言うと角が立ちます。かといって遠回しすぎると伝わらない。そのバランスを取るのが「クッション言葉+提案型」の伝え方です。
クッション言葉とは
クッション言葉とは、本題の前に置くことで相手が受け取りやすくなるひと言のことです。「おそらく」「確認なのですが」「念のため」などがよく使われます。相手を責めるのではなく「一緒に解決しましょう」という姿勢を示すことで、指摘が前向きに伝わります。
❌ 直接的で角が立つ言い方:「この数字、間違っていますよね」
✅ クッション+提案型:「念のため確認なのですが、こちらの数字は〇〇でよろしかったでしょうか。もし修正が必要でしたら、お知らせいただけますか」
✅ メールでの指摘:「ご確認いただきたい点がございまして、ご連絡いたします。〇〇の部分について、一度ご確認いただけますと幸いです」
「間違っている」と断言するのではなく「確認させてください」という形にするだけで、相手のプライドを傷つけずに問題を解決できます。特に目上の方や取引先への指摘には、このクッション+提案型が非常に効果的です。
例③ 角を立てないお断りの理由の見せ方
お断りをするとき、ストレートに「できません」と言うと相手を傷つけてしまうことがあります。かといって曖昧にしすぎると「やる気がないのかな」と思われることも。角を立てずに、しかし相手にきちんと伝わるお断りの言葉選びをご紹介します。
お断りは「クッション+理由+代替案」がセット
上手なお断りには3つのパーツがあります。まず相手の申し出への感謝や共感(クッション)、次に断る理由(理由)、そして可能であれば別の提案(代替案)です。この3つが揃うと、断られた相手も「誠実に対応してもらえた」と感じやすくなります。
❌ 角が立つお断り:「その日は無理です」
✅ クッション+理由:「せっかくお声がけいただきありがとうございます。あいにく〇〇の予定が入っており、今回はご参加がかなわない状況です。大変申し訳ございません」
✅ 代替案もセットで:「今回はご対応が難しい状況ですが、〇〇でしたら対応可能です。もしよろしければ、そちらでご検討いただけますか」
特に「代替案」を添えることが大切です。断るだけで終わらせず「こういう形なら協力できます」という姿勢を示すことで、相手との関係が壊れにくくなります。お断りが多い方こそ、この3パーツを意識してみてください。
言いにくいことほど言葉選びが大切な理由
お詫び・指摘・お断りに共通しているのは「相手が聞きたくないことを伝える場面」だということです。だからこそ、言葉の順番・クッション・代替案という小さな工夫が、相手の受け取り方を大きく変えます。
言いにくいことをうまく伝えられる人は「この人は誠実で話しやすい」という印象を周囲に与えます。そしてそういう人のところには、自然と仕事や信頼が集まってくるものです。今日からひとつだけ意識して使ってみてください。
言葉遣いは「正しいか間違いか」だけでなく「相手がどう感じるか」で選ぶのが大切だと思っています。言いにくい場面こそ、言葉の選び方が人間関係の分かれ道になります。
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👉 「言いにくいことほど、こう伝える」お詫び・指摘・お断りの言い換え辞典
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もっと詳しく学びたい方におすすめ
言葉遣い・敬語をもっと深く学びたい方には、こちらの2冊もおすすめです。
まとめ
「まず謝る・理由は後」「クッション+提案型の指摘」「クッション+理由+代替案のお断り」——この3つを意識するだけで、言いにくい場面での言葉が格段に伝わりやすくなります。
謝り方・断り方が上手な人は、言いにくいことを避けるのではなく、相手が受け取りやすい言葉を選んでいます。今日から一つだけ試してみてください。小さな言葉の積み重ねが、あなたへの信頼につながります。
ここで紹介した3つ以外のテンプレ集・チェックリストはnoteで公開中です。ぜひあわせてご覧ください。

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