「的を得た意見ですね」——実はこの表現、正しくは「的を射た」なんです。知らずに使い続けると、ビジネスの場で「あれ?」と思われてしまうことも。今回は、大人が意外と間違えている慣用句の誤用をまとめました。
日常会話やビジネスシーンで何気なく使っている慣用句。実は長年「間違い」と気づかずに使っていた…というケースが意外と多いんです。知っているつもりでも正しく使えていないと、文書やプレゼンでの印象に影響することも。今回は特に間違いやすい慣用句を厳選してご紹介します。
❌ 特に間違いやすい慣用句5選
以前、会議で「それは的を得た意見ですね」と言ったら、後で同僚から「『的を射た』が正しいですよ」とこっそり教えてもらったことがありました。長年ずっと間違えて使っていたと知り、とても恥ずかしかった記憶があります。正しい言葉を知っているのと知らないのとでは、積み重ねで大きな差になると感じた出来事でした。
①「的を得る」→ 正しくは「的を射る」
❌NG:「それは的を得た意見だと思います。」
✅OK:「それは的を射た意見だと思います。」
「的」は弓道の標的のこと。標的に「当てる(射る)」ので「的を射る」が正解です。「得る」は的に当たったものを得るイメージで広まりましたが、本来は誤用です。ビジネスの場で頻繁に使われる表現なので、ぜひ覚えておきたい一言です。
②「足元をすくわれる」→ 正しくは「足をすくわれる」
❌NG:「油断して足元をすくわれてしまった。」
✅OK:「油断して足をすくわれてしまった。」
「すくう」のは足そのもの。「足元」をすくうのは不自然な表現です。ただし現在は「足元をすくわれる」も広く使われており、NHKも許容表現としているほど。知識として覚えておくと◎です。
③「気が置けない」→ 意味の取り違え
❌NG:「あの人は気が置けないから、付き合いづらい。」(警戒すべき人の意味で使う)
✅OK:「あの人は気が置けない人だから、何でも話せる。」(気を遣わなくてよい親しい人の意味)
「気が置けない」は「遠慮や気遣いが不要なほど親しい」という意味。「気が置けない=油断できない」と誤解している方が非常に多い表現です。会話で使うと誤解を生む可能性があるので注意が必要です。
④「煮詰まる」→ 意味の取り違え
❌NG:「アイデアが出なくて煮詰まってきた…」(行き詰まった意味で使う)
✅OK:「議論が煮詰まってきたので、そろそろ結論を出しましょう。」(十分に議論が深まった意味)
「煮詰まる」本来の意味は「議論や検討が十分に進んで結論が出る状態」。「行き詰まる」の意味で使う人が増えていますが、ビジネス文書では本来の意味で使うのが無難です。
⑤「確信犯」→ 意味の取り違え
❌NG:「わざとやったんだから確信犯だよね。」(故意犯の意味で使う)
✅OK:正しくは「自分の行為が正しいと信じて行う犯罪・行為」のこと。故意犯とは別の概念です。
「確信犯」は「自分の信念に基づいて正しいと確信して行う行為」のこと。単純な「故意犯」や「わざとやった人」とは意味が異なります。ビジネス文書では使い方に注意が必要な言葉です。
📋 よく間違われる慣用句一覧表
| よく使われる誤用 | 正しい表現・本来の意味 |
|---|---|
| 的を得る | 的を射る |
| 足元をすくわれる | 足をすくわれる |
| 気が置けない(警戒の意) | 気が置けない=気を遣わなくてよい親しい人 |
| 煮詰まる(行き詰まりの意) | 煮詰まる=議論が十分深まった状態 |
| 確信犯(故意犯の意) | 確信犯=信念に基づいて行う犯罪・行為 |
| 取り付く暇もない | 取り付く島もない(近づく余地がない) |
| 汚名挽回 | 汚名返上・名誉挽回 |
| 役不足(能力が足りない意) | 役不足=その人の能力に対して役目が軽すぎる |
🤔 なぜ間違いが広まるのか
慣用句の誤用が広まる理由はいくつかあります。
まず「音の似た言葉との混同」。「的を射る」と「当を得る(適切である)」が混ざり「的を得る」になったと言われています。次に「なんとなくのイメージ」。「煮詰まる」は「煮詰まって動けない」というイメージから行き詰まりの意味で使われるようになりました。そして「周りが使っているから」。誰かが間違えて使い始め、それが広まってしまうケースも多いです。
💡 AIが文章を作る時代だからこそ、日常の言葉に差が出る
最近はAIが文章を作ってくれるので、メールや報告書の表現に困ることは減りました。でも日常の会話や、ちょっとしたやり取りの中でふと出てくる言葉——そこにこそ、その人の言葉への意識が表れると感じています。AIに頼れない瞬間こそ、日頃からの言葉の積み重ねが生きてきます。
会議中の一言、取引先との雑談、上司へのちょっとした報告。そういう「咄嗟に出る言葉」に、その人の教養と品格が滲み出ます。今日ご紹介した慣用句を一つ覚えるだけで、その積み重ねが少しずつあなたの言葉の力になっていきます。
💡 sho的ポイント:AIが使えない場面でこそ、本当の言葉の力が問われます。一覧表をスマホに保存して、日常の言葉遣いを少しずつ整えていきましょう。
✅ 正しい日本語を身につけるコツ
①使う前に「意味」を調べる習慣を
なんとなく使っている言葉こそ、一度調べてみると意外な発見があります。スマホで30秒あれば確認できます。
②間違いを指摘されたら素直に受け取る
言葉の間違いを教えてもらえるのは、実はとても貴重なこと。恥ずかしがらず「教えてくださってありがとうございます」と受け取れる人が、長い目で見て言葉の力がつきます。
③本や新聞で「正しい日本語」に触れる
SNSやネット記事には誤用も多く含まれます。本や新聞など、校正を経た文章に触れることで、自然と正しい言葉遣いが身につきます。
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まとめ
「的を射る」「足をすくわれる」「気が置けない」——知っているようで間違えやすい慣用句は、意外と身近にあります。
AIが文章を作ってくれる時代だからこそ、日常会話や咄嗟の一言に「その人らしさ」が出ます。一覧表を参考に、今日から少しずつ正しい表現を覚えていきましょう。
正しい言葉遣いの積み重ねが、あなたの印象と信頼を作ります。🌸

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