「おっしゃられる」「拝見させていただきます」は間違い? よくある二重敬語3選と正しい言い換え【ビジネスマナー】

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「おっしゃられる」「拝見させていただきます」「ご覧になられる」——なんとなく丁寧に聞こえるけれど、実はこれ、すべて文法的に間違った「二重敬語」です。悪気はないどころか、より丁寧にしようとした結果なのに、知っている人には「この人、敬語が怪しい」と思われてしまうことがあります。

今回はビジネスの場でうっかり使いがちな二重敬語を3つご紹介します。「自分も使っているかも」と思ったら、ぜひ今日から言い換えを意識してみてください。

前回は「感じ悪い言い方」についてご紹介しました。あわせてご覧ください。

👉 悪気はないのに「感じ悪い」と思われる職場の言い方3選と言い換え例

この記事の内容

  1. 二重敬語とは?そもそもなぜNGなのか
  2. 「おっしゃられる」は間違い?
  3. 「拝見させていただきます」も実はNG?
  4. 「ご覧になられる」は丁寧すぎてNG
  5. 二重敬語を防ぐコツ

二重敬語とは?そもそもなぜNGなのか

二重敬語とは、一つの言葉に敬語表現を二重に重ねてしまうことです。より丁寧にしようとして、敬語の上にさらに敬語を乗せてしまうのが原因です。

たとえば「おっしゃる」はすでに「言う」の尊敬語です。そこにさらに「られる」という尊敬語を加えると「おっしゃられる」という二重敬語になります。文化庁も「二重敬語は適切ではない」と指針を示しています。

ただし注意したいのは、二重敬語に聞こえても慣習として広く使われており、許容されている表現もあるという点です。今回ご紹介する3つは、特にビジネスの場で気をつけたいものに絞りました。

なぜ二重敬語が生まれるのか

二重敬語が生まれる一番の理由は「より丁寧に伝えたい」という気持ちからです。敬語を重ねれば重ねるほど丁寧になると思いがちですが、実際には逆効果になることがあります。また、周りの人が使っているのを聞いて自然と覚えてしまうケースも多く、「みんな言っているから正しいはず」という思い込みが間違いを定着させてしまいます。まず「この言葉はすでに敬語か?」と一度立ち止まる習慣が、二重敬語を防ぐ一番の近道です。

二重敬語①「おっしゃられる」は間違い?

実は私自身、入社して間もない頃に上司の言葉を引用しようとして「部長がおっしゃられていましたが」と言ったことがあります。その場では誰も指摘しませんでしたが、後で先輩に「『おっしゃっていました』で十分だよ」と教えてもらいました。より丁寧にしようとした分、かえって間違いに気づきにくいのが二重敬語の怖いところです。

なぜNGなのか

「おっしゃる」はすでに「言う」の尊敬語です。さらに「られる」という尊敬の助動詞を加えると、尊敬語が二重になってしまいます。

❌NG(二重敬語):「部長がおっしゃられていました」

✅OK(正しい敬語):「部長がおっしゃっていました」

✅OK(正しい敬語):「部長がおっしゃるには」

「おっしゃる」だけで十分に敬意が伝わります。「られる」を加える必要はありません。

二重敬語②「拝見させていただきます」も実はNG?

なぜNGなのか

「拝見する」はすでに「見る」の謙譲語です。そこにさらに「させていただく」を重ねると、丁寧すぎて回りくどい印象になります。

❌NG(二重敬語):「資料を拝見させていただきます」

✅OK(正しい敬語):「資料を拝見します」

メールの文末でつい使ってしまいがちな表現です。「拝見する」だけで十分にへりくだった敬意が伝わります。

二重敬語③「ご覧になられる」は丁寧すぎてNG

なぜNGなのか

「ご覧になる」はすでに「見る」の尊敬語です。そこにさらに「られる」を加えると二重敬語になります。

❌NG(二重敬語):「資料をご覧になられましたか?」

✅OK(正しい敬語):「資料をご覧になりましたか?」

「おっしゃられる」と同じパターンですが、実際の会話では驚くほど頻出します。「ご覧になる」だけで十分な尊敬表現です。

二重敬語を防ぐコツ

①「られる」「させていただく」を安易につけない

「おっしゃられる」「ご覧になられる」のように「られる」を後ろにつけてしまうパターンと、「拝見させていただく」のように「させていただく」を重ねるパターンが特に多いです。すでに敬語になっている言葉にはこれらを加えないことを意識するだけで、多くの二重敬語を防げます。

②迷ったらシンプルな表現に戻す

複雑な敬語表現に迷ったときは、シンプルな表現に戻すのが一番安全です。「おっしゃる」「拝見する」「ご覧になる」——これだけで十分に敬意は伝わります。

③声に出して読んでみる

書いた文章や話す前に声に出してみると、不自然な二重敬語に気づきやすくなります。「なんか長くて言いにくいな」と感じたら、二重敬語になっているサインかもしれません。

言葉遣いは「正しいか間違いか」より「相手がどう感じるか」で選ぶのが大切だと思っています。二重敬語は悪意なく生まれるからこそ、意識して直す習慣が大切です。

あわせて知っておきたい!よく混同されるNG敬語

二重敬語と混同しやすいNG敬語もいくつかあります。代表的なものをご紹介します。

「お体に気をつけてください」

「お体」と「ください」が組み合わさると、尊敬語と命令形が混在した形になります。「お体にお気をつけください」または「ご自愛ください」が自然な表現です。メールの結びでよく使う言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。

「なるほどですね」

相槌としてよく使われますが、「なるほど」は目上の人に使うと評価しているような印象を与えることがあります。「おっしゃる通りです」「ごもっともです」に言い換えると、より丁寧な印象になります。

「〜させていただきたいと思います」

「させていただく」だけでも丁寧な表現ですが、そこに「思います」を重ねると意志が曖昧になります。「〜いたします」とシンプルに言い切る方が、かえって誠意が伝わります。

あわせて読みたい

ここで紹介した3つ以外にも、まだ17個の言い換えがあります。シーン別早見表、敬語の種類別チェック表、業種・世代別の注意点、送信前・発言前セルフチェックリストまで知りたい方は、note記事もあわせてどうぞ。

👉 「その敬語、実は間違ってます」二重敬語・NG敬語チェックリスト【20選】

もっと詳しく学びたい方におすすめ

言葉遣い・敬語・ビジネスマナーの基本から応用まで学びたい方には、こちらの本がおすすめです。

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まとめ

「おっしゃられる」「拝見させていただきます」「ご覧になられる」——どれも丁寧にしようとした結果の二重敬語です。知っているだけで、ビジネスの場での印象が変わります。

まず今日から「られる」「させていただく」を安易につけない意識を持つだけで、多くの二重敬語を防ぐことができます。シンプルな敬語の積み重ねが、あなたへの信頼につながります。

ここで紹介した3つ以外の言い換え17選・シーン別早見表・チェックリストはnoteで公開中です。ぜひあわせてご覧ください。

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